ちいさな容器のなかで、ピョンピョンと泳ぎ回るホロホロシュリンプ。見ているだけで癒される可愛らしいエビさんたちですが、「このままで狭くないのかな…」と心配になってしまった方もいるかと思います。
ホロホロシュリンプは、その環境で十分暮らしていけますが、「もっと別の容器で飼ってみたい」「広いところを泳ぎ回らせてあげたい」「他のアクセサリー(装飾品)も入れてみたい」という方のために、ホロホロシュリンプのお引越しについてご紹介します。
まずは、ホロホロシュリンプが気持ちよく生活できる環境についておさらいをしておきましょう。
・汽水(薄い海水)の中でしか生きられない
・餌はいらない(容器内に自然に増えるコケやバクテリアを食べて生きていけるから)
・水温は15℃から25℃が好き
・ストレスがかからない環境(静かなところ・暑すぎない、寒すぎないところ・直射日光があたらないところ)が好き
・フタをするなら通気性のあるフタを(酸素が通らないと死んでしまうことも…)
この項目を守れていれば、どんな容器でもホロホロシュリンプを飼育することが可能です。
例えば
・ガラス製の大きな花瓶
・金魚ばち
・熱帯魚を飼育するための水槽
などで飼育できます。
一番気を付けてあげたいのは、水温を保つことです。
秋から冬にかけては気温が低下するので、お部屋の温度も下がっていきます。一般に、室内の気温とホロホロシュリンプの容器内の水温は同じになるため、気温を測定してもらえばホロホロシュリンプに合っているかどうかわかります。
部屋が暖房されている状態であれば15℃~30℃からはずれることはないと思いますが、寝静まる夜間や外出して留守の状態だとエアコンをオフにすることも多いですね。
そうなるとホロホロシュリンプの容器の水温は下がってしまいますので、パネルヒーター(パネル状で温度調節ができるヒーター。2000円程度で販売されています)などを使ってあげると安心でしょう。
夏はとても暑くなります。
夏も冬と同じでルームエアコンが稼働していれば問題ありません。エアコンを切る時間帯がある場合は、水槽用のクーラーというものも多種類販売されていますので、そういったものの導入も検討してあげてください。
容器が小さいほど水温は上下しやすいものです。逆に容器が小さければ、エアコンを使っている部屋へ簡単に移動することもできます。
飼育の状態や、おうちの環境、生活リズムなどに合わせたホロホロシュリンプの飼育環境を考えてみてくださいね。
上で紹介した通り、フタのない容器でもホロホロシュリンプを飼育することはできます。ただし、この場合は水質に注意してあげることが大切です。
フタがあれば、水分が蒸発することを防げます。フタなしの容器だと、水は蒸発しやすいですね。
ホロホロシュリンプは薄い海水の中で暮らしているので、水分が蒸発すると塩分がどんどん濃くなってしまいます。
そのため、容器に印をつけておき、「この印よりも水が減ったら足してあげよう」と気にしてあげてください。
その場合、加える水にも注意が必要です。販売されているマイクロウォーターを使うとますます塩分が濃くなってしまいます。
そのため、カルキ抜きをした水を加えましょう。水道水でも大丈夫ですが、水道から出てすぐの水には雑菌を殺すための「塩素(カルキ)」が入っています。塩素はホロホロシュリンプの餌になるバクテリアも殺してしまいますので、水道水をそのまま注ぐことは厳禁です。
ではどうしたら良いのでしょうか。方法は2つあります。
1つは「水道から水を出し、その水を半日くらい置いておく」ことです。その場合は水道水を入れた容器にフタはしないでください。水道水をホロホロシュリンプを飼育している部屋に置いておけば、自然と水温も合いますので一石二鳥ですね。
もう1つの方法は、市販の「カルキ抜き」という薬剤を使うことです。
最近では100円ショップで販売されていることもありますので、探してみてください。この場合は注意点は「薬剤の量を守る」ということです。
ホロホロシュリンプは容器に入れてもらえるアクセサリー類が大好きです。
その理由は「隠れ場所にすることが出来るから」。ホロホロシュリンプはストレスが好きではありません。
ホロホロシュリンプにとってのストレスはいくつかありますが、いつも明るい部屋だとホロホロシュリンプも疲れてストレスがたまります。
休息も必要、ということですね。
ストレスを与えすぎると、きれいな赤色が薄くなってしまいます(ストレスが緩和されたら色は鮮やかに戻りますので安心してくださいね)。
ストレスを減らしてあげるために、隠れ家になりそうなアクセサリーを入れるのはとてもいいことです。ですがアクセサリーを入れる場合も、注意点がいくつかあります。
1点目は、「アクセサリーに水に溶けだす原料が使われていないかどうか」です。
水に何らかの物質が溶け出してしまうと、ホロホロシュリンプに良くない影響が出ることが考えられます。
具体例としては、インテリア用に作られた小石などを挙げることができます。ああいったアイテムはキレイに見せるため、ツヤ出しの塗料が使われていることがあります。ビー玉や造花なども同じです。
2点目は、「あまりにも隠れやすいものを入れると、ホロホロシュリンプが見えなくなってしまう」ことです。
ホロホロシュリンプは物陰で休むのが好きなので、隠れ家がお気に入りになりすぎるとせっかくの可愛い姿が見られなくなってしまうことがあります。
「ほどほどに隠れることのできる」アイテムが向いているかもしれませんね。
せっかくお迎えしたホロホロシュリンプですから、快適に過ごしてできるだけ長生きしてもらいたいものですね。
それぞれはちょっとした注意点でしたが、これらを守ってあげることでホロホロシュリンプと長く一緒に暮らすことができるようになりますよ。